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山桜


 分布は東アジア各地に及んでおり日本固有種とは言えないようだが、山桜実生、兼六園熊谷、新紅山桜などの栽培また、自家実生の栽培から述べる。

 種子の発芽率は良い。
 本種の実生または交雑した桜は、土壌が排水が悪いとあっという間に腐る。本種と交雑したものは他の種に比較すると生育は良好で、彩久作系、江戸彼岸系、のF1に次いで成長が早い。
 虫が葉を食べることはあるが全部食い尽くすことはまずない。ぼろぼろになっている。
病気には強い。根がまっすぐに地下深く入るので台風に強い。また木は豪雪にも良く耐える。
休眠がかなり長いほうに入り交雑での短縮化はかなり遠いと見られる。静岡県では葉と花が同時で「出っ葉」と呼ばれているそうだが、東北では花が咲いて後、葉桜となり散っていく。
 実生によってかなりのばらつきが発生する。矮性から大木まで様々の大きさがでてくるほか、交雑の相手によって極端に変化する。
 ogawana「稚木の桜」などをバラエティーに擁しているだけあって、遺伝的にも早期に開花する因子を持っているようでF1などには実生2年で開花するものがまれに見られる。
 自分の葉の腐葉土は自分の根の成長を阻害しないが、他の一部の雑草の成長を阻害する働きがあるようだ。山桜の根元に生える雑草はツタ、アオキ、ノバラ、ササ、フジなど特定のものになって行き樹木として伸長の競争には勝るが、フジ、ツタは取り除く必要がある。
 病気には強いが、南方から北方に持ち込んだものについては、極端な湿気やヤマセによる癌腫が発生することがあるが、大方は感染を抑止して自分で回復する。
 肥料は有機肥料が効果がある。以前、畑に牛の屍骸が横たわっていたことがあったが、その周りの成木はものすごい成長を示し新梢約1.3メートル/1年。普通の平均0.4−0.5メートル/1年だから相当に効いたことが分かる。化学肥料ではやり過ぎると枯らしてしまうので対抗して与え続けるのは危険だ。
 また、根が地下深く入っているせいか、化学肥料などは需要量は多くなく無施肥でも安定して成長する。鉢植えにした場合、肥料欠乏が起こってていないか葉の色を常に見ておく必要があるが、比較的そうした欠乏に強いほうである。
 総じてバラエティーも多く栽培も容易な桜といえる。

華桜
大輪種
濃色種
矮性種


山桜F1 1年苗 2006/11/04