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大山桜  Prunus sargentii

2009/04/19


 葉は蝶蛾の幼虫の餌食になることも少なく、樹皮がネズミ兎の被害にあうことも少ない。
 また樹皮は光沢あり、工芸などに用いられる。
 しかし、自然環境下ではよく育つのに栽培するとなると非常に難しい。耐暑性はあり、休眠も短いため、それをもって温暖化で激減するとは言いがたいが、温暖化が影響するとすれば新たな病気や害虫の北上だろう。
 

 上は2008/08/26撮影であるが長雨で根が腐れ、樹脂病にかかっている。排水よく水分が取れる場所を好むのが特徴になる。肥料、薬剤はほとんど不要であるが、かれるのはほとんどこの点であろう。
 促成利用に関しては休眠は短く、自然環境下の低温で休眠するため、自発的に遺伝的休眠を持つ必要がなかったと考える。
 高山との境界近辺には峰桜と大山桜との雑種らしきものが混在している。
 たた本種は促成した場合花柄がほとんど伸びず、桜らしくない。
 大山桜のピンクには紫が混じり冷たい色になる。
 実生した場合、開花まで10年以上を要するものが多い。
 自然の大山桜を採取する場合、接木の台木として親和性のあるものがまれであり、根こそぎ持ってくる必要があり、特定品種の繁殖が非常に難しい。
 などの一般特性がある。

 しかし、最近は人里近いところの大山桜については、栽培品種との雑種化のせいか、一般的台木によくつくものもある。毛山桜との雑種には有毛の葉のものもあり、かなりのバラエティーに富んでいるが、栽培しにくさの点ではいずれの雑種も同じといえる。
 

 ほとんどの大山桜は白いが、蔵王の山形県側は色の濃いものが自生している。現在は山形市野草園にそれら見本があるが、蔵王ダム近辺には横浜緋桜程度の濃さの大山桜も見つけることが出来る。