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霞桜


 根は桜の中でもっとも細かく広く深く強く張り巡らされる。従って台風、豪雪によく耐える。
 鉢栽培の結果として鉢を割って移植しなければならなくなる。
 F1においても1年目から網を張ったようにがっちり土を抱え込むので、移植にも耐える。
 この根により乾燥に強く、塩害にも強くなると思われる。
ただし、花は葉の展開と同時であまり感動的でない。この点は北上すれば改善するかもしれない。
大山桜より耐寒性は劣る。虫害、鼠の害はほとんど受けない。
 これだけ強くて日本を席巻しなかったのは、よく肥えた土壌、湿気の多い土壌では逆に生育が劣っていくからか。
畑地に栽培してよく育てようとすると、シナミ桜・啓翁桜・大島桜・山桜に劣ってしまう。
 また、種子の採取地によってその最適栽培環境が違うのでいくつかのバラエティーが存在している。
 内陸部の霞桜は耐寒耐暑にすぐれ、やせ地でよく育つ。海岸部の霞桜は乾燥に耐え根が強く台風によく耐える。
 肥料農薬などまったく必要としないので土壌をよく選べば大木になる。木肌は木目が多く樹木を床柱というような利用は難しい。


 桜公園などでは、「立ち入らないでください」と看板かけて根元の浅根を踏み切らないように、看板をかけて保護している。
本種はその必要がない。根は全体的に深く入る。