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命名は 「同志社大学同窓会」 さま

http://www.keihan-engei-gardeners.com/fs/keihangn/8200is0009

新島八重の桜

 現育成地 静岡県裾野市
 2008年山形で実生 / 2010年開花。
 開花到達年限が短く開花に早く到達したが、超遅咲きのため、花盛りは山形では見れなかった。原因は内陸特有の晩霜、気温変化についていけず、花がほとんど落ちてしまい、咲くのは10−20輪だけだった。したがってこの桜は山間部内陸部に植栽しても花が見れないことがあろう。したがって花が落ちてしまう分生育が早く8メートル箒状に伸び上がり、葉だけの桜として生存していた。
 静岡に移してからはすべての花が開花するようになり、花弁数も増えた。八重桜で重いのであろうがほぼ横向きに咲く、本種は接木親和性のある桜がなく営利的接木が困難であった。
 栄養状態により花弁数が減ったり増えたりするので、あまり栄養のない畑で栽培すると貧弱になる。花弁数は山形で80枚程度であったが、静岡では120枚を超えるものもある。バラのような渦巻き型の開花を見せるのは開花初期の短い期間である。よく見ると、桜もバラのように、剣弁や外巻き内巻きなどさまざまの形を作ることがわかる。
 あまりこうした桜が目立たないのは、日本人がこうした形の桜を選ばなかっただけであろう。海外で桜を育種するようになればバラのようなさまざまの形の桜を作り出すに違いない。早く自分たちの価値観を破って新しいものをリードするか、優れた外人がやったことをサルのように落ちてくるのを待っているか、桜もカメリア、アザレア、オリエンタルリリー、シキミアのようになるのか、最後の鯉がまな板に乗っている。
 当農場保有八重彼岸×兼六園菊桜である。


桜の花はまだ進化途上にあり、八重桜に関してはなかなか花弁が整わない。
ウリ科などは花弁の均等配置が完璧で、花弁が渦巻状に展開する。
桜では突然変異で、ぶりぶりざえもんのように左右対称でない顔も時々発生する。
しかし、交雑の頂点にはこのようにバラのように渦巻きを持った桜も出てきてくれるものだと感動する。
ビームや放射線によりDNA破壊では到達できない進化の階段を上っている形がここにある。
桜はもっともっと進化する。その先を想像すると楽しみではないだろうか。