2014 須山浅間神社奉納を期に改名(法的には愛称・名称は須山浅間神社様の著作物)
このはな桜
登録品種14508号

 現在 営利生産希望者には 「JFC石井農場 023-629-2527」、「株式会社JFIロイヤリティ 03-5492-4187」、「(有)マルス製材所 0573-79-3007」より営利生産者への生産権利販売中。詳細要問い合わせ。

許諾生産者の皆様へ
 2012.10.30
 フェンローのフロリアード事務局から電話があって記念品が贈られてきた。コピー可能な紙だ。恥ずかしいことに9.13と点数が書いてある。右と左どっちの紙が値打ちがあるのか・・・・よく見て考える必要がある。と言うのも私は前居住地山形県からは一枚も表彰状の端切れももらっていない。しかし、山形市長からはかなりいただいている。話題つくりとしては市からいただくのはありがたい。只売り上げには直結しない、地元観光には寄与するようだ。
 山形には県知事賞を連発で取るものがいる、それは売り上げに貢献しているといえる。県外に売る際の特産品の品質保証になるからだ。
 ところが、私は山形で桜を作っていてもほとんどの消費者は西日本が多かった。園芸文化協会、日本花普及協会は山形では知る人も少ない団体だった。そうした流れにいち早く反応するのは、南関東と西日本の人たちだった。
 福島原発事故以来一部の方はかまわず購入いただいても大方は不安視する中、確証のない安全を謳って汚染を広げるわけにもいかない。まして、自分の植物への放射線照射実験結果に加えて、安全でないという農水省の先生方の意見を踏まえると、どうも今回の汚染は尋常ではない。
 まあ放射能汚染がなければ今までどおり山形で桜を栽培していたろうけれど、仕方がない。ファンは西日本のほうが多いし、とりあえず富士川糸魚川を越えて西には来た。結局畑は東日本になったが放射能は降っていない。JAの人の話ではかなり除草剤は使ったと思うという話だったが、今は草ぼうぼうになっている。とりあえずここで再出発だ。
 10年先、何もなければまたフェンローに新しい桜を送り出す。それは、日本にしかできないことだろう。
 最後に言うと、オランダの桜を見る眼は、日本人より日本人で、酒を飲まないで見ているぶん厳しい。
 問題はこの評価にはどんな効果がついてくるのか・・・外国に輸出するということも桜ではあまり期待できない。枠がでかくてはまらないことはよくある。子供にデカパンはかせたような、ところによって不釣合いな現象も起こるだろう。いったいどこの誰の評価がいいのだろう、・・・賞状を見せて花を見せるとすばらしいという人間にはなりたかないが、そんな花の関係者はいないはずと思う。私が作っている花は賞に入らなかったとしてもすべて美しい花だと思っているから。



 啓翁桜を見い出した父も狭小な畑地で規模拡大ならず、生産量では酒田、東根、白鷹の生産者に劣り、自身は陰に埋もれてしまった経緯がある。開発者の悲哀だ。本種はその後悔を踏まえて当農場が最高生産量をだすべく増産中だ。年末のふかしの加温カロリーも啓翁桜の1/2以下になるし、風呂や薬剤など無処理で開花させられるので環境にもやさしい。また細い枝に花が細かくつき狭小な部屋でいっぱいの花見を楽しんでいただける。本来鉢物用として開発したが矮性のきり枝で1メートル以上の枝は厳しいが、価格によりきりえだしても啓翁桜より楽な作業で同程度の利益が上がる。
 しかし、切り枝より2−3メートルの成木を植栽した椿山荘の山形おばこは水を得た魚、色も濃く出て、見事だった。ああした本来の色を出すまでには3年を要するが、着花は1年目から60%以上の苗木で可能である。植えた年の秋から切り枝が可能になるが、先端まで花のつく成熟枝でないと2年目までは色が薄く葉桜で咲く傾向がある。


2012 フロリアード優秀品種に滑り込みました。 http://www.floriade2012.jp/contest/?cat=14&p=585


2008/12/14
 東京学芸大学 岩元先生より関心をおよせいただき、イルミナシオン・仁科蔵王とともに、東京大学大学院理学系研究科附属植物園へお送りする。
先生の研究論文も頂戴して、基礎研究が今後の桜の品種展開に面白い可能性を開いていることで合意。


2008/01/04
 目覚ましテレビで紹介いただいた。
 年末無理無理促成と違って品質はかなりよくなっている。だけど私は、山形おばこよりアナウンサー3人に見とれていた。アナウンサー3人とも「おばこ」ということでまことに麗しきかな。


2008/01/20
 椿山荘桜祭りの植栽として「啓翁桜」ならびに「山形おばこ」を中型トラックで発送。
1/20日前後の寒波、2/10−20の寒波、2/26−27の春一番などを開花したまま耐え続け、3月上旬の桜へのバトンタッチまで咲き続けた。
 私も3度見に伺いその様子を拝見。うちの畑より見事でした。

http://www.2story.net/bridal/chinzanso/eid/14344/
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10109722/OR00002693.pdf
http://www.enjoytokyo.jp/OD004Detail.html?EVENT_ID=120723
http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10109722/library/200804/200804.pdf


2007/12/18
 去年、岐阜で年末12/20に無処理で咲いたというのでこちらでも追試したら、咲いている。
 2007年12月 本年は特に暖かく山形の8度以下の積算時間数が560時間に達したのは12月7日だった。12月8日から切り枝、休眠の強制打破処理はしない。促成日数は16℃で25−30日間ぬくぬくやるのだが、今回日数がないので20℃でやった。あまり高速促成すると花の色が薄く小さくなる。また無理な促成をすればするほど品種間差異がくっきり出てくる。ものによっては色素を失い真っ白になる。初夢吹雪より促成での開花は早い。
 輸送中など氷点下に遭遇するとつぼみが死んで咲かなくなるし、28℃以上になると同様。自分でも正月に眺めていたいけれどそんなゆっくりしていられないのがつらいところ。むかしは練炭火鉢と囲炉裏にやぐら組んでコタツにしたところにもぐって豊潤な時間をただ無為に過ごしていたのだけれど、経済の歯車に入ってまわし始めるととめられないし、忙しい。
 ミハイル・エンデのモモの話はとても心に刺さる警告かもしれない。だが限られた時間をどうすることもできない、花咲く一瞬の時間に永遠の時を感じるように、一瞬、走馬灯のように思い出を集めて夢見てまた現実に戻る。



山形おばこの耐雪状況2005-2006
完璧ではないがかなり雪に耐える。そうでなければこんな豪雪地帯で生き残らなかっただろう。
2006/01/20
2005/12/12

山形おばこ  登録品種14508号

2005/10

啓翁桜系統間における遺伝的変異の調査 山形大学農学部 江頭宏昌先生
http://www.cerasus.org/rapd.html
 このとき先生とお話した結果、ほぼ山形の啓翁桜とRAPD分析での違いが見られないことから、山形の原種啓翁桜(山形1系敬翁桜)のオーキシン生成能力または感受性が失われたものとの見解をいただいた。
 奇しくもそのときGA処理によって山形おばこを伸ばそうとしていたため、その結果としてGA感受性は持っていることが判明し、オーキシン生成能力を失った啓翁桜と言うことが判ったのである。つまり、オーキシン与え続ければ普通の啓翁桜とまったく同じになるということになる。
 自然突然変異によって起こったわけであるからせいぜいオーキシンを生成する遺伝子が壊れただけのものであると言う結論になる。
 
 本種は啓翁桜の芽条変異種(mutant)である。1999年秋に種苗生産の苗床から見つけ出し、判別栽培していた。主な特徴は矮性であることであったが、同様の変化はウイルス感染しても起こるため区別に時間を要した。
 樹高は2−3メートルの低木。分岐性は強く、葉は厚いが啓翁桜より縦横ともに小さい。葉の色は啓翁桜と同様。托葉がしっかり付く。花の大きさについては啓翁桜と同程度。気根は多く、吸枝も多い。湿地での生育に弱く、湿害で樹脂病を生じる。
 開花期は啓翁桜と同じ。
 命名は 山形市 鑓水敬一様


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