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峰桜・高嶺桜

2011/09/02 蔵王峰桜 2007/11   一寸桜
上記左が蔵王由来の峰桜で9月に咲くと一花房の各花の開花の時間差により紅白が発生している。
この性質を増長したのが一寸桜になる。
峰桜は春から花芽形成して休眠に入るまでの期間が短い。
休眠は冬の寒さに当たらなければ覚めないのであるが、温湯でも覚めることもあり、夏の高温でも覚めると思われる。
現に毎年夏の終わりに咲き始めるのであるが、率にしてはそう高くはなく総花芽に対して5%以下である。

2011/09/11


2009/04/16

高嶺桜
由来:蔵王色つきと色つきでないものがあります。
これはややピンクです。
2009/04/15

千島桜
由来:もらい物なので正確なことは何も言えません。


 栽培の四苦八苦  FAQといえるほど簡単ではない。

 経験論であり例外は当然ありえる。また本表記の峰桜・高嶺桜は蔵王山・鳥海山由来のもの・由来といわれるものの栽培経験による。
 栽培として寒さに強く暑さにも強く直射日光を好む。実生の根は二分岐していき横に広がる。
 虫が好む、鳥海系は美しい白である。ダニがよくつき夏の落葉をダニ剤で必死に抑えないと、7月に落葉して枯れてしまう。蔵王系は美しい白と、ややピンクの入った花のものがある。また以下写真のように、葉辺部の鋸葉の先端の蜜腺からまで蜜を出すので毛虫が、蝶が、ハエが、ウンカ・カメムシがやってきて葉をぼろぼろに食いまくる。浸透移行性の農薬などと流暢なことを言っておらず、葉に止まったらころりと行くような農薬漬けにしないと庭では育てられない。これはF1についてもいえることで、根、茎、葉どこを取っても虫に狙われない場所はない。確かに早朝、葉の蜜腺から出る蜜は人間の感覚でも甘味を感じる。しかし、実は食べてもすぐ吐き出したいような味である。
 いずれも葉の辺部は重鋸葉で欠刻は深い。休眠はしっかり長く暖冬でも狂い咲きしない。したがって休眠中温室に入れても咲かないほか、枯れてしまうのでしっかり寒さにあわせる必要がある。
 なお、乾燥ならびに根の凍結に耐えるので自根ならば魅力的であるが、これを台にすると穂として着くものが少ない。しかし、峰桜・高嶺桜を穂として接ぐならばほとんどの桜を台にしてくっつく。それで長期生育がどうかは不明。

 東北の峰桜については温暖化によって害虫が増えることとなり、絶滅は免れないだろう。耐暑性はあるので一般栽培も可能であるが、害虫のことを考えるなら、北海道あたりの植物園で保存したほうが良いと思われる。

 根の吸収効率がいいので化学肥料を与えすぎるとよく枯れる。有機肥料で少しずつ与え続けるとよく育つ。おおよそ1メートルから1.5メートルの高さで止まっているが2−3メートルに達する場合もある。巨木にはならないし、虫とのかかわりのせいか古木も見受けられない。
 タナグモ・女郎蜘蛛を枝葉に配することで葉は虫から守ることが出来るが、タナグモは小鳥が狙うので、その際枝を折られることがある。

 千島桜も分類上この仲間になるのだが、北海道由来といわれる千島桜の栽培経緯からは峰桜のような虫の殺到は見られなかった。園芸品種として庭に持ち込むならば千島桜がいいと思われるが、耐暑性や休眠の必要度は今のところ不明。

 以下は峰桜F1 2006/11/04


 峰桜は矮性で開花到達年数も2−3年と少ないが、開花到達して2−3年で果実もなしに枯れてしまうことが多く、雑種にはあまり長い寿命は期待できない。このあたりでも同系統内で交雑しないと個体を維持させない遺伝的何かがあって純潔を守っているようだ。