今年の東沢小学校の田んぼ


2003/10/03
稲刈り風景は個人のプライバシー問題があって載せられません。
今年の小学校の水田使用農薬 ならびに 行事

 作付け品種 ひめのもち

 4/20 スポルタック 
 4/22 タチガレン        播種
 5/01 耕起
 5/19 代掻き          苦土ケイカル
 5/23 ウィンアドマイヤー粒  田植え
                    元肥  NPK複合
 5/27 ゴーサイン        除草剤
 6/10 追肥            NPK複合
 7/12 スミチオン         ドロイムシ
 8/27 田の草取り        土手から1-2歩の範囲
 8/28 ヒノバイジットバッサ
10/03 稲刈り


隠されたポイント
 草が育つと土手の草刈ってくれる田んぼの隣のおっさん。
 中山間地の水管理 冷害は怖い。
 水は豊富なので旱魃の心配は要らない。 
 いくら農薬を使っても稲刈り直前としても残効が天日乾燥もみすり
後に引きずる心配はない。去年の県内の検査でも農薬残留はなか
った。やりすぎると儲からないから農薬しないだけである。
10/28 脱穀は稲刈りとともに危険作業である。
 稲の挿入口で一人一人監視しなければならないが、機械の騒音
から恐怖感が先にたち浅く入れてしまい、稲下の方の籾が残ると
いうこともある。そのくらいが安全だ。
 機械は写真右のいがいがの「こきどう」が高速回転して稲から籾
を剥ぎ取る。
10/28 「どうやって籾を剥くんですか」という質問
 いい質問です。もみすり機の主要部分をお見せします。
 回転速度の違う二つのゴムロールにはさんで剥いていきます。
 後はふるいにかけて、扇風機で籾殻を飛ばしてしまうだけです。
 これを通過してきたのを米粒の大きさで選別して一定規格以上
のものを飯米(人が食べる)という玄米に、これより小さいものはく
ず米として、米の粉や、飼料になります。
 この作業は10/30に行いました。   

 食農(職能?)教育ということで小学校では水田作っています。PTAなので引き受け
ましたがなかなか大変なので、関心のある皆様と意見の交換などできれば参考にな
ります。
 この件に関してのご意見、通信はこちらへお願いします。

田んぼつくりの基本から思い出してみよう。
 私も農業やってもう人生半分以上終わったけれど、難しいよな手作りの田んぼは。

 できれば減農薬にしたいがそれほど多くの作業が子供たちにもPTAにも期待でき
ない。そんな中で減農薬・有機は翔んでいるが手間いらずの方法は。 
  

 1-1  田に枠を転がすのだが1回目の枠のあとと2回目の枠のあとが合わなくなる。
     去年引継ぎのとき石沢さんやってくれたんだが、ぴったり合っててすごかった。
    これなんかコツあんのかな。ことしぎっくり腰でこれなくなってしまって・・・

 1-2  田植えって簡単だと思っているが 植えながら進んでいくと、泥から抜いた
    足で植えたい根苗がひっくり返っている。こうならないようにどうする(どう教え
    よう)?

 1-3  田んぼに子供たちをはだしで入れると、コーラの缶の栓やガラス、陶磁の欠
    片で足を切ることがある。田植え長靴を履かせたいが・・・・・
    すでに汚れたごみ社会が怖い。

 1-4  子供たちが裸足で田植えする場合、前もって苗箱殺虫殺菌剤は使えない。

 1-5  田植えは早く終わったとほめてはいけない。後で浮き苗になって田んぼが
    はげていく。おそいと思っていらだってもいけない。あとでがっしり育っている。
    田植えはゆっくり確実にを教えたほうがいいかも。

 2-1  昔の方法の減農薬は難しい

   2-1-1 お湯で籾を殺菌
         経験なし
       
   2-1-2 油でドロイムシを殺す。
          →油は排水してはならないと市役所に注意を受ける。
        (2002)農薬のほうが人には直接害があろうがまくなと言う
        注意は受けていない。
        今年は農薬で対応。(2003)田んぼにいるヤゴもけらもみな死んだ。
        ただやごは別学年が授業で使ったらしい。
        先生方の認識は狂牛病より農薬のほうが危ないと認識しているようだ。

   2-1-3 木酢でいもち防除
          廃材木酢が疑われたりしているので・・・
          原材料材質がトレースできればいいのですが。

   2-1-4 カメムシはどうして防除する。
         今年はヒノバイジットバッサで対応した

   2-1-5 稲水ゾウムシはどうして防除する。

   2-1-6 イナゴ取りは。
        田んぼつくりをするのでイナゴ取りも楽しませたいが、
        稲を踏み倒す、イナゴは収量を落とすのであきらめていただいているが。
        今年は防除しているのでとったとしてもイナゴは食べさせられない。

 2-2  化学肥料節減 したいが それほどPTAが盛り上がらないときは人足がない
    ので仕方なし。有機肥料は重いし重労働だ。
    (こだわる学年では可能かも知れないです。)

 2-3  カメムシの大量発生、冷害によるいもち病発生
     今年は運が悪かった。

 2-4  すずめの食害。
     近所の人が追っ払ってくれていたがかなり食われていた。
     自然保護に貢献しているわけだ。  

 2-4-0-1 来年から子供たちですずめ撃退のかかしを作る案が出ました。

 2-4-1 山寺では猿、霊山ではいのししがもみ食っていくそうですが。
      みんなどうしているんでしょうか。

 2-5  田の草取り
      田の草取りは田植え後2週間 6月中旬 7月 8月と 3-4回行っていた。
     今は除草剤で簡単である。除草剤を違ったもの2種をそれぞれ1回で十分草
     なしにできるが、イベントがなくなるので1回でやめている。
      田の草取りは 長靴、軍手が必要だ。 
      裸足で入って稲の茎で足を切る子がいた。

 2-6  たとえば 5-6月の田の草取りを子供達にさせたとして、ひえあわの雑草を
    どう区別させる。(1-1をしっかりやる必要がこんなときにわかる。)
     7-8月ならばひえあわの区別が子供でもつく。
 3-1  稲刈り
       子供たちの持つ鎌には必ずさやをつけさせる。
       それで今まで21年間怪我なしだそうだ。(去年もなかった。)
       今年は大人が腰に鎌さすのも危ないのでさや持参をPTAの手伝いにも
      求めた。

 3-1-1  今年の田んぼは雨の多い年だけあってよく乾かなくて大変でした。
       スケジュールあるし、大変だけど、やっていただきました。
        

 3-2  刈った稲束の元をそろえて・・・というのが子供には至難の業だ。
       手が小さい。
       これはPTAの協力が要る。

 3-3  農家の子はしっかり知っているのが何人かいる。
       彼らを中心に仕事をまとめさせるというか、自然にまとまっていく。 

 3-4  稲穂が散らかっていてももったいないという感覚はもはやない。
       私もない、爺さんたちは怒っている。
 4-1  天日乾燥
       稲杭にかける方式なので未経験者には難しい。
       

 4-1-1  稲杭に藁で横木を結いつける訳だが、「そんなんで(結い方で)だい
      じょうぶなんですか。」と子供が驚いていたが、そういえば稲藁の結い
      方、私も子供の頃見てほんとにいい加減なことしてるように見えたが、
      構造的に「もたれあいの構造」していて安定しているんです。いいこと
      に気が付きますね、
「つなぎ」 横木をつなぎで結ったとこ

 4-1-2 収量 1-5で深く植えたほうががっしり育っていると評したが、ここに来て
         浮き苗が出ていたほうが、生育分けつ収量がよかった。
         人生塞翁が馬・・・

 4-2  脱穀
       唯一 機械を子供達の前に入れる。
       足踏み式 電動式の 脱穀機もあるが 千枚引きなんてのもいいものか
      どうか。いずれにしてももっとも危険な作業だ。
       このとき脱穀したわらを田んぼにかえして循環することをみせて。 

 4-2-1  脱穀して籾が袋にたまるのを見て子供達が落穂を拾い始めます。
       (3-4 の行動はここを経て変化するのかもしれませんが。)

 4-3  もみすり
       家で行うので子供達は見ていない。
       見せたいというがこれはスケジュールは天気にあわせないといけない。

 4-4  精米
       家で行うので子供達は見ていない。
       いつでも見せられるのだが・・・またどこでも見れるが。

 4-4-1 精米して水て洗うと米に石が混ざっている。この度合いは(3-1稲刈りで)稲の
     穂を土で汚さない配慮が必要ですが、こんなことわかるには一度経験しないと。
     35-40年前、大人がやっても石はいってましたので手刈りで石無しは不可能
     との意見もあり・・・・。
 5-1  食べる
       苦労して作ってきたものが食べられることを体験することがやっぱり必要だ。
       ここまできて2度目で田植えをするとき省みれるのかもしれませんね。

 5-2  11/15 収穫祭としてもちついていただいてまいりました。
       「今年のもちは冷害で栄養価やカロリーが低いだろうから5割り増しで食
      べないと足りないですね、」といったらいっぱい食べてくれてよかったです。        このために一年間働いてきたんですね。

食農教育って何なんだ

 さて、田んぼ作ってますが

 改めててでやると大変ですねー。機械と農薬に依らない米つくりは不可能に近いかも
しれません。去年やりましたが。どこかでやっておられる方がいましたら「やってるよ」だ
けでなくてタイムスケジュールなど教えていただければ参考になります。

 ちぐはぐな環境問題・農薬問題・食糧問題の狭間で正道が見えません。

  環境問題
   自然保護 害虫を殺すか殺さないか 害虫とは 人間の作物にとって害をなす虫
          ドロイムシ、イネミズゾウムシを殺せばやごやほたるも共に死ぬ。

   農薬による環境問題
          白鷹町で航空防除反対が起こったが、
          今後農薬散布まで規制されるのではないか。
          家庭菜園やったら虫ついて・・・といってやめてはいけません。
 
  農薬問題 違法農薬問題
         ドリン系 農薬残留成分問題

  食糧問題 WTOの関税引き下げ問題 
          日本は米国際相場の約4倍に関税をかけている。
          米国内生産の意味は何のためか。
 
 日本に米生産は必要か。
    こんなことまで小学生は考えないとたかくくっていてもいいが、やってる大人や
   先生が答えを持っていないことは問題だ。

私の考え方とスタンス(勝手な意見かいてます。)

 食糧問題は以下の憲法がかんでいます。
  第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
       国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生
       の向上及び増進に努めなければならない。
 食料価格は生活水準の指標になります。エンゲル係数というやつでここで文化生活
 ・健康生活・最低生活を国が保証していることになるわけです。だから食料だけは何が
 あろうとも国が保証しなければいけないんですね。ということを国任せ人任せにしては
 いけないわけです。

 おそらく100年後には合衆国かオーストラリアが米の先進国になり、日本は食糧生産
はカロリーベースで今より低くなっていると思います。今より土壌汚染の検査精度が上が
り、今より農耕適地がなくなるでしょうし、おそらく、今後米の新種開発は前2カ国に負け
るでしょう。結局UPOV条約により生産できない品種を輸入するようになるのが日本の
最も妥当な米の未来です。すでに稲ゲノム解読戦に負け、遺伝子組み換えに消極的な
日本は国家100年の計にこないだ負けたばかりといえます。
 今のままなら2100年日本は米作りから撤退するでしょう。それでも関税かけられて国
民は高い食料食べさせられるかもしれません。

 環境問題
 今より深刻になるでしょう。北朝鮮で戦争などになれば原子力発電所破壊や劣化××
弾使用などで核汚染がおこるでしょうし、水質汚濁、土壌汚染から食糧生産に使える農地
が限定されていくでしょう。
 
 農薬問題
 2002年違法農薬で騒いだ問題は特殊な問題で行政が緩まなければもう起こらないだ
ろうしトレーサビリティーをしっかり行えば特に問題はないと思う。ただ相変わらず嫌われ
る対象になって槍玉には上がるとおもう。が、同じ薬でも、副作用があっても医薬品はなけ
れば、日本人の寿命は縮むだろう。おなじく農薬が制限されると農業の廃退をよりはやめ
るだろう。
 農薬をへらす農業の可能性が1つある。作物を遺伝子組み替えして病気と虫に強くす
る。私はこれを期待する。それでも、農薬はなくては困る、雑草は作物の遺伝子がどうなろ
うと育つし、除草剤がいる。病原菌とて常に進化・変化しているから殺菌剤も必要だし、虫
も同様。また海外のマーケット情報から遺伝子組み替え、非組み替え食品の仕分けに対
する要求は低く、分別しなくなってきている。(日本貿易振興会food&agriculture2003/6/23
2443号)

 食糧問題 WTO
 WTOの自由貿易主義 という考え方と 政治システムに将来の保証があるならばそれ
がいい。大東亜戦争前のように世界の優越国家がブロック経済や、閉鎖経済に入るとど
うするんでしょう。だから日本の政治家の皆さんWTOでがんばっているのだと思うのです
が。

 日本に米生産は必要か。
 アジアアフリカ年に独立した植民地諸国が飢餓に苦しんだ理由とはなんだったか。
 支配国への商品作物 ジュート 麻 綿 などの生産をして自国の自然を破壊し、食糧生
産を忘れ2-3世代が過ぎて、綿 麻 など繊維産業が化学繊維に取って代わったため不
況になった。そして、食料が買えなくなり、生産の仕方もわからなくなっていた。
 食糧支援で食料もらったためにまた働かなくなり、と悪循環に陥った。
 これは、今の日本の不況がこのままアフリカの飢餓のイントロに似ていかないことを祈る
ばかりであるが。
 もともと日本は飢餓国家であったという歴史がまだ伝わっている。飢饉のとき北から歩い
てきて折り重なって死んだという石碑や、大東亜戦争の前後の国内の飢餓。そのとき食べ
たものがこれからの子供や人々が食えるのかどうか。飢餓がくれば農地から盗難が多発し
したがって作付け意欲を失して更に深刻な飢餓になる悪循環をするだろう。泥舟に乗ったよ
うに、タイタニックのように助かるのは小船に乗り移れたものだけか。
 
 だが今の子供達には飢餓など想像できないだろう。
 歯によくない、糖尿になるとチョコレート、アイスクリーム、ジュースを制限したり、狂牛病騒
動のときはもらった牛肉も捨てたものだった。ダイホルタン騒ぎではなしやりんごをごみのよ
うに捨てているのをテレビで見ている。飢餓なんて今の子供達には絵空事だろう。

 米の将来
 米は今後どうなっていくのか。
 もし主食を外国に依存するようになったら・・・。それでも日本に米作りは残るだろう。ひとつ
はもち米 おいしいお菓子のために。また酒米 おいしい酒のために。そしておいしい寿司の
ための米、美味しいおかゆのための米。他にもさまざまの用途に分化して特殊な米として残
っていくと思う。世界や政治のことを考えるよりおいしいものをかんがえていくほうが米の未
来は開けるような気がする。
 アルビン・トフラーが予想したように現在も多様化に向かって進んでいるが、今後更に多様
化していくと思う。米農家はトフラーのくもの糸を手繰って希望をつなごう。そして公的試験場
は量産だけでなく特殊用途の品種もばしばし発表してほしい。その中に活路が残されている
と思う。